盛岡から帰ってから数日後、近藤達郎家で「ひかり祭り」のリハーサル。
坪田直子ちゃんのサポート。ピアノは近藤だいちゃん、ベースがどんべいこと永田純くん、そしてギターとコーラスが私。この日には来れなかったけれど、
パーッカッションがマック清水さん。なんだか同窓会みたいな顔ぶれだけれどここにタコヤキこと長田和承がいたら完璧だ。そういう時代がむかしむかしあったとさ〜という一日だけのバンド。それぞれの道を歩いてきて、なんとか元気でいて、すっかり忘れていた曲も、だいちゃんのピアノが鳴ると思い出してくる。私の創った「ねぇ私がわかるかい?」のファンクヴァージョンもあって、自分でつくったのにわ〜!手が動かないぞ〜!かなり真剣で緊張するリハーサル。だって直子主役でまちがえたら、、、久しぶりにドキドキしてきた。
本番までに練習する時間をつくるのが大変だ。
18日(土)富士の「アニマルハウス」ば高速バスで御殿場インター待ち合わせと紹介してくれた御殿場リンコロの小澤氏に言われたのだけれど、東名川崎のバス乗り場というのを探すのにひどく苦労をしてしまった。なんと山の中の藪みたいなところに細い石段があってそこを登っていくのだと!タクシーの運転手さんが「お客さんその荷物持って無理だよ」と車をそっちのけにしてちっぽけなバス停まで登ってくれた。大渋滞の中やっと合流。アニマルハウスというお店のツルさんというオーナーはお蕎麦屋さんもやっているとのことで、本当はお蕎麦屋さんがいいなぁとおもっていたけれど、アニマルハウスは雰囲気のある素敵なラヴィハウスでかなりロックなお店なのだ。ロックと蕎麦がツルさんは好きなのだな。楽しそうにしていたけれど、忙しいらしくオーナーツルさんとは言葉はあまり交わさなかった。オープニングアクトにエリカさん、カウチポテトくんという若い人と一緒で、スタッフも若い人たちだったし、ステージもちょっと高い位置にあって、結構がんばっちゃったかな。
そのツルさんが、その後4ヶ月後に亡くなった事を年末にリンコロで聞いてびっくりした。また逢いたい人だった。。。とてもぶっきら棒でシャイなひとだったから。静かな寂しさだった。。。
富士のあとは御殿場リンコロに御世話になった。リンコロのステージはスタジオみたいに防音だから熟睡の場所。ありがたい。
翌日はリンコロでライヴがあって、レインマンという若者元気バンドと寺田町さんというシンガーソングライターのジョイント&バースデイライヴを客席から観戦!若いぞ、そして飲む飲む!寺田町さんとは名前だけは知っている仲という、そうお互いが旅の唄うたいだから、すれ違っても会った事がない同士だった。こうして会えるのは本当に珍しいこと。そしてその夜が寺田町さんの誕生日で、朝まで私の寝室であったリンコロの部屋がお祭りになっていた。
楽しいお休みの日。
翌日は沼津の「P-STAGE」新しいお店のようだけれどオーナー横井さんが一生懸命お客さんを集めてくださり、終わってからは、終電に間に合うように一生懸命私の荷物を持って一緒に駅まで走ってくださった。沼津というところお魚も美味しいのだろうし、一晩くらいゆっくりしてみたかったけれど、この翌日からはレコーディングがあるので短い旅になってしまった。
三日間、近藤宅のスタジオにて弾き語りのレコーディング。
「山」ダルシマで。「道」。「音」。「SMILE」はだいちゃんにピアノをお願いした。だいちゃんはジャズのピアニストでないし、私もジャズではないので、いつも私が弾き語りしているような感じで自然に弾いてもらった。でも丁寧な音色だ。
その間にベースの松永さんが「秘密はひみつ」にコントラバスをつけてくれた。仕事の早い人だ。数回聴いて、2回テイクでOK!
そして余計なことはしゃべらない人。なんと潔い。そこが近藤氏とも共通<似てないけれど)する精神で、こういう人たちの仕事に触れるとそれだけで心に綺麗な風が吹いてくる。
7月26日 日本橋の天婦羅やさん「神尾」にて、生音ライヴ。なんと
¥2000でライヴと天婦羅やお料理が食べられるというのだ。
企画してくださったKさんは、この「神尾」のオヤジさんと寄席や私のようなシンガーのライヴをはじめてしまったのだけれど、二人とも真面目で、真面目は良い意味で頑固でもあって、いろいろ大変なこともあったろうに、おかげさまで真夏の猛暑の昼下がり、唄い終って、まぁ江戸前天婦羅やら、なにやかや、申し訳ないようなありがたい一日をオヤジさんK&Kのお二人はプレゼントしてくださった。いつかああいうところに人にご馳走にならないで行きたいものだ。でもご馳走されるうちが花か、、、も。
翌日から、録音した10曲のミックスとマスタリングがはじまる。
全てを今回は近藤さんにお願いしたから、私がずっといても邪魔になることもあるし、なんといってもこの音決め作業が一番時間がかかるし、神経を使うから、私は家で待機していて近藤宅から電話が入ってから聞かせてもらいに行くということにした。
最後のマスタリングで曲順を決める。「今夜彼女は台所を棄てた」を一曲目にするといったら、だいちゃんは「お〜そうきましたか〜」というようなやりとりで、とにかく音がとても自然に仕上がっているのと、時間はかかったけれど、私自身が揺れることなく<悩んだし金策もあったけれど)みんなと気持ちよく作業できたことが全体から伝わってくるので、大満足のうちに工場へと音たちは送られていった。
その後すぐにジャケットの仕上げ。
選んだ写真は井出情児さんに撮ってもらったときから決めていたものだったから、これも迷い無し。いろいろ言われるだろうな。。。。と思っていても、腹が決まれば良いのだ。人から言われてもそうなっていればきちんと耳も心もそれを聴ける。
7月31日。藤野牧郷「ひかり祭り」
藤野の駅に着いたのは夕方。
出番が夜遅いから、ゆっくり到着して元牧郷小学校にバスで行けるはずだったのに、昔は車だったからバスの本数など考えていなかったけれど、かなり待つ。
バックパックや寝袋など背負った人たちが何人もいたけれど、私は出番があるから少し心配になってきた。
何台かの車が駅前にやってきた。「ひかり祭り」に行く人「乗れますよ!」
助かった!久々の逆ヒッチ!懐かしい! まるでウッドストック!!
牧郷ラボは島田力(ツトムくん)と直子ちゃん夫婦が廃校になった小学校に移り住んで、そのうちいろいろなアーティストも集まって子供たちも沢山いて、
そんななかで生まれたお祭りで、映像プロデゥーサーのツトムくんの才能、直子の丁寧な一生懸命な才能と沢山の人たちが出来る限りの智恵を集めて年に一回夏の終わりに開かれる美しいお祭りで、遠くからも星屑のような人々が集まってくる。
今回は直子のママが亡くなられてのお祭りなので、特別な想いがあって、直子はもう、全てを仕切っていた。
そして彼女自身のステージ!
さっきまで泥だらけで走り回っていたのに、衣装替えしてメイクしたら、さすが!女優のツボタナオコに変身したし。どうしてあんな風にポーズが決まるのか?5曲あっというまに終わってしまったけれど、体育館のステージのスクリーンには直子のママの写真やキッドブラザース時代の直子や、見てるだけで涙が溢れてきてしまう映像が流れ続けていた。
翌々日にもう一回、ステージがあるので、だいちゃんの車で都内まで乗せてもらってひとまず帰宅。
充実の7月が終わる。
2010年01月12日
2009年覚書7月後半
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記