2009年03月19日

3月19日四日市

新幹線名古屋からJRで四日市。四日市には近鉄も通っているけれど、私はJRの四日市しか知らない。名古屋からJRの普通列車(ワンマンカー)で40分。JRの駅はとても寂しい風景だそうだが、私はそこしか知らない。だから四日市の全貌を良くわかっていない。駅前にある「フルハウス」という喫茶店で2回唄わせてもらった。今回は違う場所だけれど、降り立った目の前にあるからマスターに挨拶した。突然だったからマスターも咄嗟には誰だか思い出せないでいる。よ〜くわかるよ、その感じ。私など旅をしていると顔だけは覚えているのだけれど、、、ということばかりだもの。こういうときは自分から名前を言うのが一番スッキリする。挨拶だけで店を出て、タクシーで四日市私立病院に行く。3時の約束だったけれど早く着いてしまったのでリハビリルームに行くと、家族以外は入れないと言われたので病棟の面会室で待っていると、
小川あゆさんが、いつもの笑顔で飛んできた。少し痩せていたけれど、それは当たり前だ。ご主人の蘭光(らんちゃん)が蜘蛛膜下出血で倒れてから4ヶ月。5回の手術のたびにどんどん良くなっていっていることや、食欲があることや、笑い話のような日々のことをあゆさんからは電話やメールで聞いていたけれど、一日もあゆさんとらんちゃんに会いたかった。
リハビリが終わるまで、あゆさんの話を聞く。沢山聞いてあげたかった。お見舞いの人が来るたびにおんなじ話をするのだろうが、やっぱり聞いてあげたかった。明るいカップルだったから殆ど笑い話みたいだけれど、毎日病院通いをしながら仕事をしているあゆさんはどんなに疲れているだろう。
らんちゃんが、息子さんに車椅子を押してもらって登場。可愛いニット帽をかぶり、お馴染みの丸めがねで、私は思わず「ガンジーみたいだよ!」といって
握手した。手も動く、足も一生懸命動かしていた。ゆっくりゆっくり話す。
もともと、らんちゃんは聞き役で、あゆさんが話し役だったから、なんだか倒れる前とあまり違和感がない。失礼かもしれないけれど「かわいい」
1時間少し、一緒にお菓子を食べたり(ほとんどらんちゃんが食べた)二人の漫才のようなやり取りを聴いていた。
もう少し時間はかかるかもしれないけれど、必ず以前より元気になる。
病院玄関までみんなで見送ってもらった。
二人には三重、滋賀のツアーでいままで沢山お世話になった。あゆさんの立て板に水のMC,らんちゃんはPAから全行程の運転から、泊まるところから、それに一緒にオートハープを弾いてくれた。二人のおかげで沢山友達も出来た。
これからは二人の一家の新しいLIFEだ。らんちゃんの生命力の強さとユーモアとあゆさんの潔さで私が励まされいる。
人はいろいろな姿になって人を元気にするチカラがあるんだ。

病院前に「カリー河」のマスター筑田さんが車で迎えに来てくれた。車のドァが開いた瞬間にカレーのスパイスの匂いがした。大好きな匂いだ。
開店して間もない店、居心地の良い木の床と漆喰の壁、内装は手作りなのだ。
初めてのお店は少し緊張するのだけれど、リハーサルが終わっていただいたカレーはとても美味しくて、お米も良くて、申し分なしで、そして一緒に歌うことになっている胡池マキコちゃんの歌声はとても澄み切っていて、道中の荷物の重さはすっかり忘れていた。
お客さんは、遠くは和歌山、そしてなんだか男性が9割という景色。マキコちゃんはちょっと本番緊張しました、、と言っていたけれど、そう、これだけ男性ばかりに見つめられたらなぁ、、。私も少し緊張、でも初めてのお客さんとそれから今回の旅を陰で支えてくれている人たちの一人であるじゅんこさん、それからあゆさんも病院から家に帰ってご飯の支度して駆けつけてくれた。
いつもうたう予定のリストを書いて足元に置くのだけれど、毎回毎回、それはすこしずつ変わる。この夜も予定外の唄をうたった。突然久しぶりの唄をうたうと間違えてしまうこもあるけれど、間違えたらまたきちんとやり直すようにしている。歌詞をごまかしてしまうのは嫌なこと。
気がつくと2時間近く。気持ちよく唄わせてもらった。ありがとう♪
宿泊は店の二階の和室で、と筑田さんに言われたけれど、そこは筑田さんが家族の待つ家に帰れない〈仕込みが早いから)ときに寝ている場所で、「筑田さん、どこで寝るの?」と聞いたら「店で」、、それは申し訳ない。
お客さんで来てくれたN氏宅にあゆさんと、和歌山から来てくれたNさんと一緒にお世話になることになった。N氏は獣医さんで、でも広い居間にはいろんなものがあって、なんとビールサーバーまであって美味しい生が飲めるのだが、私はN氏のリンパマッサージを受ける。なんでも使うクリームは馬用のマッサージクリームで凄く効くのだ。優しいね申し訳ないね〜
翌朝、和歌山のNさんは明け方帰って、それぞれにやることがあって、あゆさんと隣にある中華料理やさんでご飯を食べる。ちょうどWBC日本対韓国戦の真っ最中で、でも私もあゆさんも野球を良く知らなくて、後ろで食べ終わっても席を立たずにテレビを観ているおばちゃんに教えてもらいながらマーボ丼を食べた。お客さんが入ってくるのにみんな食べ終わっても野球が終わるまでは動こうとしないのだ。お店の人も「勝つの見てからでいいよ」と言う。
あゆさんは、そのままらんちゃんの待つ病院へ、私は筑田さんが次なる場所鈴鹿の白子(しろこ)のカレラと言う店まで送ってくださることになり、最後までありがたい四日市。そういえば、最初に筑田さんの車に乗ったときに感じた強烈なスパイスの匂いは二回目には感じなかった。慣れてしまったのだ。臭覚の慣れは早い。
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記