2008年12月27日

はじめての与那国という国

今年の夏、ほんとうは与那国に行けるはずだった。しかし土壇場でキャンセルになった。だからこのツアーでの一番のワクワクは与那国島だった。しかしだ!そうしかし!またもやドタキャンになったのは出発間近一週間くらいの時。。。しかし、しかしだ!もう飛行機のチケットは買ってあるし、どうしても行く!と決めた。しかし、しかしだ!誰に?何処に?連絡したら行って唄えるの?私も元ちゃんも八方手を尽くして、、というか宝探しみたいにいろいろ調べた。元ちゃんなどはネットで民謡居酒屋まで調べていた。彼が言うには「カレーやさんのユキさんち」というところでやっていた人たちがいたという。さっそくユキさんちに電話してみると「最近は近隣への音の配慮でライヴをしていない」という、、でももしかしたら、、といって松田さんという役所にいる人の電話番号を教えてくれた。ビンゴ!だった。松田さんは私たちの受け入れを頼まれていたのだけれど、私用で島にいない時期なので断っていたのだった。しかしだ!そこをなんとか、「どんなところでも唄います」というかなりの強行オファーをしたら、「どうにかしましょうね〜」という返事!
羽田出発3日前に与那国行きは決まった。
石垣から与那国までの飛行時間は25分。しかしだ!そこは今まで行った島々とはまったく違う風が吹いていた。東シナ海の風だ。
松田さんは、東京に親戚の結婚式に行く予定を私たちのために取りやめてくださっていたことを迎えてくれた車の中で知った。なんということだ!申し訳なくて「すみません、わがままでした」と言うと、「2000キロも遠くから唄いたいとやってきてくれるんだから」と言われた。島を半周して放牧地や断崖絶壁の荒い海を見せてくれた。
ところで今夜唄わせてもらうところは?と聞こうと思っていたら、松田さんから「島で知り合いは?」と反対に聞かれた。
元ちゃんが「ヨモちゃんっていう女性が与那国のひとで、東京で友達になって、今は結婚してスイス?スエーデン?かな、、」
松田さん「え〜!今夜お借りする家は、そのヨモちゃんの実家だよ!」
これには元ちゃんびっくり!私も一緒にビックリ!そんな偶然が日本最西端で起こるのか???
まずは電話でお世話になった「ユキさんち」にて美味しいカレーをご馳走になる。そして民宿さきはら荘へ。そこにもヘルパーで働いていてつい最近まで波照間で働いていた女の子がいて彼女が波照間で私のCDを聴いていて、、という嬉しい偶然もあった。
会場は田頭(たがみ)さん宅。立派な民家だ。玄関先には子供達のための読みきかせの本が並んでいて、件のヨモ(四方)ちゃんの妹さんのルツちゃんは洋服のリフォームなどをしている。田頭ご夫妻に元ちゃんと四方ちゃんの話をしたらやっぱり驚かれたが、もっと私が驚いたのは、スエーデンにいるヨモちゃんにネット電話(テレビ電話だ!)で元ちゃんが彼女の実家にいることを連絡してスエーデンにもビックリが飛んでいったことだ。
気持ちの良い空間で窓も出入り口も開け放して唄い出す。島の人たちが静かに聴いてくれる。本当に気持ちよい時間だった。
台所ではささやかな、しかしご馳走だったな〜打ち上げを用意してくださった。なんとこのライヴが決まったのは前日だったらしい。
ヨモちゃんのお父さんもお母さんも優しい、そして島の唄を勉強している青年とお父さんの横笛で一曲。これは元ちゃんのリクエストで、子猫のことを唄ったものだ。島では伝承していく人達が減っているという。
突然嵐のようにやってきた私たちに、一宿一飯、手厚いおもてなしだった。
翌日は飛行機が夕方なので、松田さんの車でまた島を廻る。途中で松田さんは仕事に、車を借りて島探検。気になるスポットへ。しかし踏み込んだとたんにジャングルになった。私のタイツには花のトゲトゲがハリセンボンみたいに刺さって痛い!しかしだ!ズンズンと分け入っていく元ちゃんの後を死に物狂いで追いかけて行く。もともと私はこういうの好きなんだな〜でも若者にはかなわないな〜、、そしてかなりパワーを感じる場所まで行ったが、それ以上はやめた。島にはやたらに入ってはいけない場所があるものなのだ。それを感じたので短い探検は終わった。元ちゃんから「まさかよしこさんついてくると思わなかった」と言われ「ふ、ふ、ふ、アナドルナヨ」というわけで、私は一足先に那覇まで。たった一泊二日の与那国は優しい人たちとの出会いと、自然の不思議厳しさ(台風は悲惨だ)のなかでスクっと存在する王国だった。
また会えるな、みんなに。感謝。
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記