10月30日、ツアーのはじまり。今回のツアーは今年一番大変かなぁ、、と思っていた。日数では夏に25日という南の島々から九州までというものがあったが、それは休みながらゆっくりの旅だった。今回は最初の山口での2日を除いてずっと移動し続けるのだ。夏からの疲れが出る頃、荷物もコートやセーターで重い。正直な不安。不安に勝つには勇気。自分の選んだことだ。
新しい唄もある。会いたい人たちも沢山いる。はじめての場所もある。唄の旅が始まってまだ5年だ。
山口宇部空港からバスで小郡、そして山口線で湯田温泉。小郡で切符を買おうと券売機のところで路線表を見上げていると、私より少し年配の男性が声をかけてきた「おい!湯田までいくらだよ!」一瞬耳を疑う。230円なのはわかっていたのでそう言うと私より先に券売機でさっさと切符を買って去っていく。こういうときは一言言わなくては、、「あの、その聞き方はないのでは?」でも4個の荷物、オッサンに追いつかない、山口線のホームは駅の一番奥、、、。やっとの思いでホームに降りると、車掌さんが「荷物持ちましょう」あぁ、怒りが消えた。ありがとう車掌さん。
湯田の「カフェ・ド・ダダ」私が旅を始めた最初の頃に受け入れてくれたのがこの社長の香原さんだ。その頃はラグタイムという名前だった店、いまでも面白い人たちが唄いに集まっている。エリック・カズ、エリックアンダースン、そんな人たちもこの小さな温泉街の場所で唄っている。
それから5年。沢山の友達が出来た。「べすぱ」というデュオであり夫婦であるかおりんとミッチー、今年瀬戸ちゃんというベイビーが生まれた。生まれるのは嬉しい。
3年前に亡くなった若林純夫さんの追悼コンサートがフォークジャンボリーになった。時間が早い。
女だけでコンサートを!という企画で3年前に誘っていただいた企画運営をしきった小澤さんとその仲間の女性達。元気だ。
今回は、ダダで一番「尖がったライヴだった」と香原氏や小澤さんから言われた。飛行機に乗ったその直後のライヴは耳が調子悪いのだけれど、だから声も大きかったかな、、いや、切符売り場のオッサンのせいか?
でも平日の夜に20人近くのお客さん、ありがたい。
小澤邸にお世話になる。旧い日本家屋。山口でも湯田は山に近いから寒い。それにこの立派なお屋敷はもう炬燵が用意されている。
お風呂をいただき、熱燗ちょっぴりいただきおやすみなさい。
翌日はお休み。小澤さんと小さな町の公設市場に買い物に行く。そうそう、その前に、旧県庁を見学させてもらう。大正時代に建てられたアールデコっぽい素晴らしい建物。議会場の自然なエコー、ここでコンサートもするという。いいなぁ。
市場で夜に二人で食べる鍋の材料物色。瀬戸内やもちろん玄界灘のフグも、あぁ魚が安い!偶然べすぱのかおりんとベビーカーに乗った瀬戸ちゃんに会う。
夕方、小澤さんお勧めの温泉にゆっくり入り、休日の夜は女二人鍋。食べきれないよ〜。残りはきっちりと翌朝ご飯になりました。
小郡まで小澤さんに来るまで送ってもらって、光市へ。
「伊保木村 憲法9条フォークジャンボリー」これは野外コンサート。しかも上田達生さんという陶芸家の裏庭(村の皆さんが総出で作った広場)ステージも仲間の人たちの手作り。笠木透さんが中心になって続いているコンサート。沢山の人たちが出演する。東京から中川五郎さん、関西から赤木一孝さん、沖縄のジョニー宜野湾さん、それからパギヤンこと趙博さん、岡山の尾崎ユニット、フーテナニーと題してみんな一曲ずつの人たちも、一人ひとり紹介できなくて申し訳ないけれど、総勢19組!人形劇もあり、昼前から始まったコンサートも最後の笠木透と雑花塾の時間になった頃はもう薄暗くなっていたけれどかえる人はあまりいない。
私も自分の唄う時間以外は殆どブルーシートに寝転んだりしながらみんなの唄を楽しむ。素晴らしかったのは、なんと屋久島から10人で(子供や奥さんなども)船とバスでやってきたというビッグストーンというバンド。
彼らの歌っていた「オー!ガンジー」という唄にガッツーンとやられました。
また会いたい。
それからとても嬉しかったのは、去年岡山でやった「憲法9条フォークジャンボリー」の時に初めて会った赤木一孝さんアカベーさんが、あの時楽屋で私のレパートリーのブルースカイズのコードで悩んでいると言ったらば、なんと素晴らしい譜面(コードのかたち)を丁寧に書いて持ってきてくれていたこと!
その場限りの出会いの中でまた温かい心を教えてもらう。
打ち上げは海辺に面した焼肉や、その名も灯台で総勢わからな〜いくらいの老若男女!!!肉が山盛り運ばれてもすぐに消えて行く。子供も、若者も、オジサンオバサンも元気だ!
今回のステージと自宅を提供してくださった上田さんの作品は繊細だけれど温かい、「どれで何を飲んでも食べてもいいよ」とひとつひとつが喋っているみたいだ。息子さんも焼き物作家だ。
そうそう、縁というか、山口の小澤邸にも上田さんの焼いたお雛様があった。
それでいて、米も野菜も作っている。しっかり地元に根をはって、でもちょっと変わった人たちが出入りする上田家。
翌朝の別れはなかなか終わらない。終わりたくないんだ。でもお祭りの終わり。きっとまた始まるんだろうな。
蔭で沢山ご馳走つくっていた女性の皆さん、出店を出していた皆さん、力仕事から細々とした連絡や進行をした皆さんおつかれさま!そして声をかけていただけたことに感謝。
尾崎ツトムさんの車で五郎サン、アカベーさんと岡山へ。
やはり岡山のジャンボリーのときに声をかけてくれた松下さんという女性が企画してくださり、五郎さんと私と地元のわかいミュージッシャンとのコンサートをすることになった。
さて、少し長くなったので続きはまた〜
だって酔っ払いさんたちの話に突入しそうだから〜♪
2008年11月12日
山口、山口、そして岡山
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記