2010年02月24日

伊保木フォークジャンボリーで始まった2009年11月

11月1日、前日の快晴からうって変わって雨が降り出して、会場は野外だから、客席にシートでテントを張ったり、機材を守ったり、力仕事を皆さん総出でやっているところに私は宿から到着。お客さんもどんどんやって来る。
遠いところからも集まる。岡山、広島などで会った人たちも、そして中津川で会った人達や、もうこうなると顔と名前などはわからないけれど、今まで各地のフォークジャンボリーなどで唄わせてもらったおかげで「こんにちわ!」が言える。雨はどんどん降ってくるけれど、フォークジャンボリーは決行!
沢山の表現者、おのおの15分から長くても25分くらい。笠木透と雑花塾の皆さん、メンバーの山本幹子さんの唄は心の奥に届く響きがあって個人的に好きだし、雑花塾のお一人お一人がそれぞれ笠木さんの創った言葉に曲をつけているので、それぞれの想いが唄となっているところが、その名も雑花のようで
ちからがあるなぁ、、と思う。飛び入りというかフーテナニーというかたちで一曲二曲ほど唄う人達も素晴らしくて、瀬戸内海田ノ浦原発反対の運動をしている若い人たちも参加していて、彼等は実際に祝島をシーカヤックで毎日監視をして反対運動を続けているそうで、私は彼らの話をこの日聞くまで、この問題を詳しく知らなかったから、それは生々しいメッセージだった。私が唄った後にその中の一人のノブくんという若者から握手をされた。雨の中のお祭りで知ることもある、こんなに情報が発達しているのに、この雨の瀬戸内の丘の上で。
マウンテンゴリラのみなさんは九州から来ていたし、私が去年はじめてこの場で衝撃を受けたバンドビッグストーンは屋久島から家族も連れての参加だ。
ビッグストーンの「OH!ガンジー」は去年はじめて聴いて芝生で寝転んでいた私をすっ飛ばしてくれた唄だった。
赤木一孝さん(あかべい)の出番の頃は雨が本降りになってきたけれど、お客さんは傘やカッパで装備してしっかりと聴いている。私もコートのフードをかぶって木陰などで観客になった。中川五郎さんも新しい唄を創って参加だ!五郎さんは本当に唄を次々につくってそれを心身ともに極限状態までもっていって唄う。長い長い唄なのに歌詞など一切見ないで唄う!素晴らしいといつも思うのだ、打ち上げ以外は。。。それはお互い様でお酒も敵わない素晴らしき肝臓!。。。尊敬するフォークシンガー。
五郎さんのあとに私が唄う。その間20分くらい雨が弱くなって明るくなった。なんだかそれがとても嬉しかった。気持ちが天に届いたみたいだったけれど、またすぐに雨は降ってきた。2年続けてこのステージに立たせてもらって
いろいろな想いが溢れてきた。一言では言えない。ただ、私がこうしてみんなそれぞれの強いメッセージを抱いて集まってくるフォークジャンボリーに参加させてもらっていることはとても大事なことだったし、勇気のいる場面もいくつかあった。「根っこのない漂うような人間になったらいけないよ」と何処からか聴こえてくる場所なのだ。
高石ともやさんのステージが終わり、その後、なんと村崎太郎さんと次郎くんが登場した。次郎くんは日本猿、そうあの太郎次郎のコンビ!
なんでこの場所に?と思ったのはその本番のステージでだけで、その後太郎さんは次郎君とは別にみんなと唄ったりしていて、これはきっと深いつながりがあるのだなぁと思った。その後打ち上げで偶然隣同士になった太郎さんからご自身のバックボーンを話してもらった。ここで会わなければ多分長い間テレビやイベントで頑張っている芸能人としての太郎さんとお猿の次郎くんとしか知らなかったと思う。
本も出版されていて、映像も撮っているようで、私はまだ本は読ませてもらっていないのでこの話はここまでにしておくし、私よりももっと詳しい人は沢山いるだろうから。
あたりが暗くなって、照明がともされて、表現者達はフィナーレでステージに、しかしこの伊保木フォークジャンボリーでは全ての人が参加者である、という気持ちになれることだ。
私は、中心者の方々が、もっと若い人達や、いろいろなジャンルの表現者の人達ともっともっと交流をしていったらいいなぁ、、とおもった。
時間はすぐに過ぎて、「世間」は無責任に変わっていってしまうから!
私もまたこういう場所で表現できるように、進んで生きたいとおもった。

雨があがったころに、上田さんの広いリビングに溢れる老若男女!
そこからは、祭りのなごりの夜。そして大食大酒漢の胃袋を支えてくださった
お母さん隊に心から感謝したくて、最後に上田さんの奥さんにリクエストをして、唄っていただいた。可憐な唄声、本当にお疲れさまでした!

翌日はそれぞれに伊保木から広島へ。久々に御世話になる楽座。
楽座は広島の繁華街のビルの地下にあるのだけれど、オーナーの石澤さんはお店をはじめるまでは広島を中心にイベントを主催したり請負をする大きな会社にいたのだが、奥さんと二人三脚できちんとしたライヴハウスをして、自分のラジオ番組やギター教室もやっていて、2006年には、斉藤哲夫さんが呼びかけてはじまった「フォークジャンボリー」を広島でも赤字覚悟で受けてくださった。
ホテルでやすみ、リハーサル、石澤さんは私の楽器も声もちゃんとわかっているから、本当に気持ちの良いリハーサルで、すべてお任せしている。
楽屋で一人になる時間もあり、それは長年のコンサート運営をした人のプロの
心配り。そこに奥さんの柔らかな(こういう仕事をするとはおもってもいなかったそうだ)笑顔がちょうど良い空気をつくっている。
連休の中日であったけれど、皆さん唄うにつれて盛り上がり、音楽好きの人達が多いから沢山唄おうと思ったけれど、沢山お喋りもしていた。去年はちょうど8月5日にライヴをして、翌日私は平和式典に言ったことなどを話した。
店のカウンターの横には石澤さんとジャクソン・ブラウンの2ショットの大きなスティル写真があって、それだけでもどういう人たちが集まる場所かわかる。お客さんが帰ってから、近くのお店で軽く食事をいただく。前に始めてのときだったと思うが、お好み焼きをお好み村というビル全体がお好みやさんばかりというところで、夜中にガッツリと本場広島をいただいたときは、その量に気持ちもおなかもビックリしてしまった。私がはじめての旅できっと歓ぶと思って連れて行ってくださった。そんな話やら、なんだか最近亡くなった人の話とか、でも今度もジャクソン・ブラウンは行く!!!とかそういう話に、奥さんはニコニコと頷いていた。
東京羽田に翌日着いて、ライヴは3回なのにやけに長い旅をしていたような気がした。すっかり寒くなっていたのだ。
灯油を買わないと大変だ!車を手放してから一番困るのがこの灯油確保だ。
家の前まで売りに来る灯油やさんがいるのだが、旅に出ているとタイミングが合わなくて、近所の友達の車で灯油プラスランチという久々のご近所ライフをした。主婦友はランチにも詳しい。こういうことでもしないと私は普段の食生活と精神状態が危険になる。なんでもないことなのだが、同世代の女同士で仕事とは無関係な、でも前向きなお喋りは非常に大切だし、食べたものが全て栄養になるような気もする。昼間に飲むノンアルコールビールって以外に美味しい。
11月7日は亀有Kidboxでギタリストの萩原信義さんとのライヴ。亀有というのは遠い。でも乗り換えが少ないので、私でもきちんと行ける。ノブさんとはいつも一緒にと思いながら、年に数回も出来ないでいた。私のダイスキなギタリスト。ノブさんそのもの!というギターの音色と引っ張りかたは、ワン&オンリーだとおもう。それからノブさんは人のことを褒める。ライヴに招待したりすると、サポートミュージッシャンを「いいねいいねあの人いいね」とはしゃぐように聴いている。人のことを褒めるひとは好きだ。お世辞ではなく。
そしてヤキモチはいやだ。
もっとリハーサルをしたいのだが、時間が合わなくてこの日もお互いに譜面を持ってきて会わせてみたのだが、本番ではお互いに曲順も無視してやりたい曲を続けた。オーナーの鷲見さんが、ダルシマもギターも用意してあるから手ぶらできてね、と言われたけれど、やっぱりギターは自分の弾きなれたものがいい。ただ、ダルシマは1本置いていてくださると本当に助かる。どれだけ体も気分も軽いか!!鷲見さんのダルシマは小ぶりだけれど、素朴な音でお店のスペースにちょうど良い音。私以外でも弾く人が沢山出来て音が鳴るようになるかもしれない。
ノブさんは彼が高校生の時に淺川マキさんのところに行って、その場でギター弾かせてくださいと強引にメンバーになった情熱少年だった。
初期のマキさんのライヴで爆発しているノブさんの音が沢山ある。今のノブさんのギターの引っ張り方、間のとりかたはマキさんの唄から来るものもあると思う。そういうギタリストと大好きなマキさんの「少年」を唄わせてもらった。途中でノブさんも唄う。「ホントに泣きたいくらい」だった。

終わってから、オーナーが用意してくれたおでんなどをいただきながら、今度はもっとリハーサルして、あとマキさんの唄も少しうたいたいなぁ、、、などとゆっくり話していたら、もう終電の時間。遠いなぁ亀有。。。。。私の家が遠いのだけれど。。。。

14日は名古屋の「パントマイム」へ。一年に一度か二年に一度か御世話になる。
ここは徳川美術館の近く、大きな交差点の角にあるから目だって良いはずなのだが、その佇まいがなんだか、目立たないように目立たないようにしているみたいに思うのは私だけかな、、。
マスターは真野さん、そしてママというよりパートナーの直美ちゃん。
中ではいつも面白いアーティストの個展や展示、小物なども販売したり、いらなくなった衣類をフリーボックスに入れてある。
そして、お料理も飲み物もとても美味しい。
この日もそのフリーボックスから直美ちゃんが素敵なシルクの巻きスカートを私に渡してくれた!とても良いもので、すぐにでも着たくなった。
ライヴメニューというのをあらかじめ作ってあって、それも季節感があって美味しいのだ。喫茶店だから基本的にはあまり沢山お酒は売らない。
音響は小さなアンプにマイクとギターを繋いで、でもそれがこのお店にはよく響くのが不思議。静かに静かに唄を聴いてくださった。
ライヴメニューで残ったお料理などを美味しく取り分けていただいて、早めの打ち上げ。朝が早い喫茶店だから夜も早い。
この夜は、翌日の犬山の「ふう」のオーナー小川さんが車で犬山の自宅まで連れて行ってくださり、お風呂をいただきおやすみなさい。
犬山は町の「手作り市」の前日で、静かなのにどこか祭りの前の夜の気配がした。「ふう」では大量のおでんを売るそうで、奥さんのまりこさんがおでんの仕込みを深夜までやっていた。
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記