四日市から、JRで神戸まで。
神戸の三宮の改札口で眞城一家が待っていてくれた。眞城佳奈さんは神戸に行くと必ず私の細々としたことをパッパとスピディーに支えてくれる。ずっと年下なのに、、そしてゆうすけ&だいきの兄弟も友達みたいになってしまっている。。。
この夜は三宮「ラストワルツ」。春にもお邪魔した小さなお店だけれど、中身が濃い!とてつもなく音楽に詳しい人達、詳しいと言うよりダイスキな人達が集まるのだ。私が知らないアーティストの話でみんな盛り上がっていて、でも
来年の「ジャクソン・ブラウン&シェリル・クロウ行く?とかディランはどうしよ?」なんて、三宮という繁華街の飲み屋さんビルの4階で大人たちがそういう話と美味しいお酒を夜な夜な飲んでいるのだ。
私はこの店ではノーマイクで唄う。この夜は10月にレイチェルと神戸で唄うから、皆さんに「来てね」という宣伝もいっぱいしてしまった。
10人でいっぱいになってしまうお店だけれど、カヴァーの曲も数曲入れて、ゆったりと唄わせてもらった。みんなと10月に再会を約束して眞城家にて10月のライヴの打ち合わせなどしながら休ませてもらう。
翌日は大阪、またまた新快速で平田ママ(みんながママと呼ぶ。)でもそれはとても元気でみんなのお母さんみたいに面倒見がいいからで、今回も夏に京都に行った時にこの枚方の「MogajogaDinning」というお店で唄わせてもらえるように、やはり枚方で御世話になっているNご夫妻と尽力してくださる。
初めてのモガジョガダイニングは古民家のような佇まいなのだけれど、お料理も美味しいようで、枚方ではいろいろな場所で唄わせてもらえるようになったけれど、どこも個性的でなにしろみんな私くらいの年代のお客さんが多いのだけれど、み〜んな元気だし、私の怪しい関西弁にも反応してくれる。別に私はわざと関西に行ってマネしているわけでないのだけれど、どういうわけか自然に少しだけイントネーションが変わる。叔母が大阪にいるせいもあるのだが、その東京育ちの叔母の話し方もかなり怪しい。。。やっぱりネイティヴにはかなわない。また唄わせてもらいたいお店に連れて行ってもらって嬉しかった。
オオキニ〜
大阪には、やはり必ず御世話になるおうちがある。八巻家だ。犬巻ワンという名前で6年前に突然メールを送ってきた八巻秀樹くんは、生田敬太郎さんを崇拝<言いすぎかな)とにかく敬太郎さんのファンで、でも敬太郎さんを知るきっかけになったのは、最初海援隊のファンだったから、、という遍歴をしていたのだそうで、彼自身も唄をうたう。大阪では私のステージで唄って貰うし、ハモニカも吹いてもらう。ハモニカは敬太郎さんからの直伝で、練習もして会うたびに音が素敵に鳴ってくるし、グルーヴが変わってきて、嬉しくなる。
それだけでなく、とにかく民泊の連泊をさせてもらって、お風呂や朝ごはんまでいただいて、夜は夜で奥さんは朝が早いので、その後もかなりつっこんだ話を飲みながらやってしまう。神戸の佳奈さんしかり、年下だけれど、反対に私が相談してしまうことも沢山あり、八巻くん夫妻は、苦労してきただけあって
とても的確でクールかつ親切な意見を言ってくれる。
枚方の翌日は、心斎橋のど真ん中のビルにある「BARかまくら」 そう
鎌倉研さんと奥さんが二人でやっているお店で、高級感溢れるお店というイメージがあったのだけれど、それは周りの町並みの空気やビルの印象で、改めてギターを持って入ってみれば、木の床やすっきりと清潔にされたBARかまくらは、この大阪ミナミの街で頑張ってよいライヴをやりながら、そして夫婦二人で朝方まで様々なお客さん相手に頑張っているお店なのだ。。。と感じる。
何せ喋りだしたらそれだけで、笑わずにはいられない鎌倉研さんが盛り上げて
しかし、きちんと唄を聴いていてくれていることが嬉しいし、唄も自然に盛り上がってくる。そういう精神を忘れずに自分も唄っている人がいるお店だ。
八巻君のハモニカも手伝ってもらい、研さんからのリクエストのKASABUTAも楽しく唄わせてもらった。
大阪最後は、針中野の商店街にある「かいたに屋」という酒屋さんの三階。
酒屋さんは今大型店の安売りでそらはそれは大変だろうなぁといつも思う、薬屋さんなどもそうだ。しかし「かいたに屋」さんの現在のご主人は、お母さんから受け継いだ様々な智恵で、夜遅くまで営業して、品揃えもフツウではないほど豊富で、なんといっても地下にある立ち飲みやはお母さんのときと同じように美味しい「かんとだき」をつくって「お酒は一人二合まで」なんていうお客さんの体に気遣った張り紙が温かで、一階のお店を上がると、今度はモダンなBARがあって、三階でライヴがあると二階からもゆったりと音楽が聴けるようになっている。八巻くんが唄い、私が唄い、お客さんはそれほど多くは無かったが、かいたにさん自身が音楽がダイスキだから耳と舌も肥えた人たちや外国の人も集まってくる。いつも唄う場所の目の前にはギネスの大きなポスターが貼ってあるので、それだけが唄っているときに気になっちゃうけれど。。。
頑張る商店街の象徴のような働き者のかいたにさん、元気をもらうのだ。
神戸、大阪と過ごして、また今度は滋賀の甲南町に戻ってきた。そう三重のすぐ近くなのだ。
甲南には忍者屋敷がある。その敷地の向かいに「アリアリ」という手作りの建物があり、その建物を作ったのはアリアリの主の森川さんだ。
森川さんは、いつもお店に私が着くと挨拶そこそこに生ビールをドンと出してくる。しかし、結構な長旅だったので、とにかくリハーサルまでロフトで昼寝をさせてもらった。私の旅のお約束なのだが、出来ない時も多いから助かった。そういえば、四日市でもじゅんこさん<彼女とは鴨宮のジーズキャフェで出会っていて、その後彼女が四日市に越してきて再会して御世話になっている)の部屋でもフルハウスの出番の前まで眠らせてもらった。
アリアリのライヴは、今回は近くで居酒屋さんもやっているミュージッシャンのりょうじさんと一緒に唄った。りょうじさんの奥さんのクミちゃんが森川さんのかわりにカウンターを仕切ってくれた。森川さんは客席でお客さんのように一杯飲んでゴキゲンだったけれど、本当はとてもシャイな人でもある。
津のええかげんからガスリーくんも来てくれて、クミちゃんたちが一生懸命お客さんを呼んでくれて、賑やかなライヴだった。打ち上げはりょうじ夫妻の居酒屋その名も「ミルクボーイ」という、静かな住宅街に忽然と出現する不思議なお店でお鍋を頂く。ライヴより賑やかだ。何から何まで御世話になってしまったけれど、約一週間の最後の夜だ。
翌日は、みんなで亀山の「月の庭」までドライヴしてお昼を食べて、ガスリーに四日市まで送ってもらい、JRを乗り継いで、小田原の先の秦野までなんとかギリギリで到着した。
凄いスケジュールを組んでいたのだ。四日市から神奈川。
秦野の「たばこ祭り」に出演。
もともと、秦野ではたばこの葉を栽培していた歴史があって、その歴史から一年に一度の大きなお祭りが続いている。2年前にも御世話になったが、今度は
一緒に誰かと、、と言われて、夏に天婦羅「神尾」に来てくれていた独酔舎さんにお願いした。独さんにはいままでいろんなことで御世話になっていて、そしてその誠実な人柄が唄にも表れていて、とにかくお願いしたのに、今回も私が遅刻しそうになっていたので心配をかけてしまう。。。そういう相性というものがあるのかしら。。。
なんとか会場に間に合ったのだけれど、私の前に唄う独酔舎さんの時に、
小雨が降ってきて、ギターが濡れてしまった。。。。あ〜またまたこういうことに、、、、。なんとか短めに終って貰って、私も短くしようか、、と思ったらなんと雨は上がって、40分ほど唄った。会場での出し物は私で最後だったので、広い秦野の役所前の広場にいる人たちも、そろそろと帰り支度。。。。
でも、声をかけてくれたPUKAPUKA島のぎんちゃん、独さん、そしてCDの売店を出してくださっていたまさえさんに感謝。
なんとお客さんで来てくれていたジーズキャフェのジョージさん、あたるくん、そしてトナカイくんは愛車のビートルで家まで送ってくれて、、、。
その朝に忍者屋敷の前でビールを飲んでたとは思えない移動距離と出会いに自分ながら不思議に感じて、また時差ボケしないように、何も考えずに眠った。
長いツアーのあとは、溜まった郵便物や、メールのチェックや、本当はすぐにパソコンに向かうのが良いのはわかっているのだけれど、だんだんそういうことがすぐに出来なくなっていた。
でも、まずは体を元気にしなければならず、不思議なことに翌日くらいまではテンションが上がっているのだけれど、2〜3日するとドーンと疲れが出る。
しかし、この9月から10月はそういうことも言っていられなく。
旅の翌日は、レイチェルさんの通訳をやってくれる晴子さんと代々木マイバックページで会う。元ジェリージェフのママ加代子さんの紹介で、すぐに仲良くなった。
帰宅するとレイチェルさんからメチャクチャに沢山のメールが送られていたのを発見!飛行機やホテルの変更。。。今はホテルも飛行機もパソコンに向かわなければ始まらないわけで、、、
とにかく、そういうデスクワークを終えてから、宿題にとりかかった。
その宿題は、永原元ちゃんがはじめてプロデュースして制作が始まっている
デザイナーのAKIくんと沢山のアーティストたち集まって録音する大変興味深いアルバムの一曲に詞をつけて唄うというもの。
メロディーにAKIくんのイメージを聴きながら歌詞を書くのは面白いけれど
大変な仕事でもある。普段は最初にコトバをつくる私だから。それにKEYがたか〜いぞ〜!録音まで数日しかなく、AKIが送ってくれたスケッチを眺めながら、何時間もウロウロしていたのだけれど、いざ、ペンを持ったら、不思議なコトバが空から降ってきた「アメアメ」という雨みたいなコトバ。