2009年05月27日

五月半分 そのU

よりこちゃんと会ったのは、まだエレックレコードが元気な頃で、立派なビルには「メイトルーム」という部屋があり、そこはファンの人たちが自由に過ごせるようになっていて、私もよく顔をだしていて、よりこちゃんは佐渡山豊さんの大ファンで(いまだに)、だから直接会話をしたかどうかは覚えていないけれど会っていた事は確かだ。
それから30年近くが経ち、佐渡山さんも本格的に活動を再開し、私もそろそろ、、というときに秦野の「ぷかぷか島」(当時は東海大学前にあった)で再会した。綺麗でゆったりとしていて素敵だなと思った。
その後、何度かおかしな出会い方をしているうちに、一緒にツアー(ほんとに二人でいくと皆さんあきれるくらいオカシイ)に出掛けたり、細々したことで私は随分御世話になっている。歳の若いオネエサンなのだ。
彼女はそうたびたびではないが、ライヴを企画してくれる。それは地元の同級生中心のホームパーティーのようなものだったり、彼女らしい昔っぽい喫茶店だったり、今回は船橋駅近くのBAR。「SAUSALITO」佐藤龍くんやとみたいちろう君も唄っている。マスターとは以前会っていたけれど、初めての場所に入るときの瞬間の印象というのは大事にしている。そしてこの店は、どうしても始めて来たとは思えない馴染んだ空気が漂っている。いいなぁ、、こういうところ近所にあったら、、というBARなのだ。
なんでも前夜、よりこちゃんの友達の(この夜もお客さんで来てくださった)ライヴで唄っていたというタナコウ君という31歳のシンガーを誘って、思わぬゲスト。ジェムス・テイラーのナンバーの中でもかなりシブ好みを唄う、オリジナルもリクエストしたらこれがなんともセツナオカシイ唄で気に入った。「裸の王様」という、自虐的だがそのまんまなところがいやらしくない。場が一気に和んで、私もすっかりゆったり、でも新しい曲もきちんと唄いたかったから、良い塩梅にステージが進んだ。よりちゃんの友達が殆どだったけれど、久しぶりのtomokoさんや、S氏や、マサエサン、ラルクさん、、、
同世代の醸し出す雰囲気がBAR全体に香った。
早めに帰ったつもりだったけれど、私の町行きの電車は終電二つ前だった。

翌日は早起き。このパターンが2週間続いている。
24日の日曜日は、多摩センターという駅から少し行ったところにある新築、いやまだ完成しきっていない建物。
声をかけてくださったのは、小林さんという女性で、国立の「はっぽん」で私を聴いてからメールをいただいてこの日が来た。小林さんだけでなく、そのまわりに沢山のお友達がいて「はっぽん」でかなり盛り上がった。
しかし、何度も何度もメールのやりとりをしていて、唄う場所がまだ完成していないという、、、いったいどんなところ???ちょっと心配になってきた。
だから、今回は内輪だけのライヴにしましょう、、ということで、でもやっぱり現場に着くまでちょっと心配だったな。
小林さんは精神科医、途中の電車の中ではじめて知った。決して派手な話し方も動作もないのだけれど、私のような人間がす〜っと安心できる人。稲田堤の商店街にリサイクルショップがあって、なんとなく気になって、小林さんをほったらかしにして物色。あった〜¥1000のワンピース!和菓子のような薄緑のワンピース!
という思いつき行動の私をいよいよその現場に連れてきてくださる。
わ〜わ〜わ〜!!!確かに外観は完成しているけれど、奥のほうでまだ未完成な部屋があるという、、でも十分!地下一階、サロンは吹き抜けで二階はキャットウォークみたいで、なんとロフトがあって、それもヒミツの隠し階段で上がるのだ。和室もあり、立派なお風呂もあり、あ〜これならお泊りの用意してくればよかった。
設計して創り上げているのは小林さんのご主人、今、必死につくっているのは厨房だそうで、それが出来るとかなり豪華な宴会も出来るそうな。
そしてご夫婦で建てているけれども、このスペースは「自由空間Warp」と名づけられていて、家主の独断と偏見(かなり幅は広いはず)に基づいたアソビをいろんな人が集まってできる「遊び場」だったのだ。
感動しながら、あっという間に私の唄う時間になった。はっぽんでお会いした方々もあり、初めてのかたもあり、吹き抜けのまっさらな木の部屋に響く音は極上!呼んで下さって感謝が溢れる。そのまま1時間半唄わせてもらった。
一息ついていると、地下に用意されているお料理がなくなっちゃうよ~と言われて慌てて下に降りると、そこは防音されたコンクリートの四角い空間。ここも遊び場。そして素晴らしく美味しいお料理たち。その名も「おつまみ作り隊web」なるHPをつくっている方の絶妙なおつまみ達、唸ったな〜
それぞれいろいろな職業の方や、主婦の方、でもとっても元気で明るい、そして豊かだ。この豊かさは、自分のことばかり考えて生きている人たちにはないものだ。だからこの空間も出来上がってきたのだ。
豊かな人たちに沢山会えた船橋、そして多摩センター。
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記

五月の後ろ半分

15日(金)CHADの日。このところCHADの時は雨が降ったりしていたけれど、今回は爽やかな金曜日。しかし今月は東京のライヴが多いからお客さんは少ないのは覚悟していた。私のとってこの店は実験と挑戦の厳しい場所なのだ。レギュラーで唄わせてもらうには、それなりの豊富なレパートリーとステージングの変化が必要だけれども、私は誰の唄でもカヴァーできる歌手ではないので、いい加減にそういうことをやっつけのようにやりたくないから、小さなBarなのにでっかい宿題がいつも付きまとっている。マスターの本田さんの耳も厳しいから様子ですぐわかる。最近はそういうことにも意識しなくなった。意識するなと無言で教えてくれていたのも本田さんかもしれない。
今回は、いつも聴きに来てくれるお客さんに加えて、若いカップルがやってきてくれて、ウレシそうにリズムとってくれて、ちょっとグルーヴ感あったな〜
そして、はじめてマイクを使わずに唄ってみた。ちょうど良い音量、ささやかな響き。じっくり聴いてもらうにはこういうやり方も良いし、なんといっても自由だ。上着を脱いで裸足でいるような感覚。

翌日が早いので、CHADから大急ぎで帰宅。しかしやっぱり寝たのは夜中過ぎてしまった。
花小金井に12時までに行かなくてはならないのに、電車を乗り間違えたりで物凄く体力を消耗。
TSPというライヴハウス、去年できたばかりという真新しい立派なスタジオのようなスペース。しかし午後2時からのライヴ、、、なんとかお願いしてきていただいた皆さん嬉しかったです。
タイコの元ちゃんとリハーサルをして本番1時間半、片付けて、考えてみたら移動時間のほうがはるかに長い。。。
乗換駅の高田馬場で食事をしてもまだ7時すぎ。雨が降りそうで降らずにすんだのは本当に良かった。

日曜日から二泊三日の小旅行。
このところ、頭も体も少々オーバーヒート気味だったから、テレビやパソコンのないところで休もうと思った。
しかし、出掛ける間際にメールチェックしていたら、なんとRACHEL FAROさんからの新しいメール!
実は、彼女の歌をはじめて使わせてもらってCDを出す頃からメールのやりとりをしていたのだけれど、だんだん親密になってきて、思い切って「日本で一緒に唄いましょう」という提案をしたら、なんと「行きたい!行く、行く!」
ということにはなっていたのだけれど、これがかなり具体的な日程まで決まってきたのだ。そこまでいくとデリケートなやりとりもあるので、きちんとした英文を書いてくれる人に頼んで今月はすごしていた。
出掛けのメールは、なんとRACHELさんが10月の第1週に上海にいるのでその後に東京に来たいという内容。。。と、いうことは、私の一年に一度の
コンサートの頃じゃないの!ということは、なんとかその日に合わせて、沢山のお客さんにRACHELさんを聴いてもらいたいし、私とのステージもみてもらいたいし、、、
今年は世の中も暮らしが厳しくなるいっぽうで、私もライヴのお客さんやCDの売れ方をみていてやっぱり厳しい、、。しかしそういうときこそやれることもあるのじゃないか?と思って、6月にはレコーディング、そして夏休みをしっかりとって心も体も頭も元気にして、8月の終わりにはニューヨークに行くことにもしていた。う〜ん、我が家の経済はいかに???
しかしだ、やっぱり、そういう時も必要なのだ、、と自分に言い聞かせていた。でもって、RACHELさんが素晴らしいタイミングでやってきてくれる。もちろん私がNYに行けば彼女と30年ぶりに逢ってリハーサルも出来る。実はNY行きは、私の親友のだんな様が、奥さんと二人で行ってきなさいというプレゼントなのだ。
こうなったら、流れに乗って、しかし手は抜かず、一つ一つスピーディーにかつ楽しくやっていこうじゃないのと、、、。
30年前、いや数年前には考えられないような毎日をすごさせてもらっているのだから、弱気は禁物だ。

RACHEL FAROというシンガーソングライターは、今はジャズやラテンミュージックのプロデューサーでもあって、しかし残念ながら日本では本当に少ない人しか知らないアーティスト。
どうやってツアーを組もうかしら、、ゆっくりゆったりしてもらいたいしなぁ、、、。
この日記を読んで、ご興味、またヒトハダ脱ぎましょう!と言う方がいらしたらこんなに嬉しいことはない。
posted by よしだよしこ at 00:00| 日記